なんとなく興味を持って読みだす。
楠木先生は「ストーリーとしての競争戦略」以来かなと思う。
なかなか面白いとは思ったけれど、どう生かして良いかがピンときにくかったのと、後々に入山先生の「世界標準の経営学」を読んで、今の経営学界では楠木先生のような経営論はあまり評価されないという話を聞いて、なんとなく疎遠になってしまっていた。
しかし本書をなんとなく手に取ってみて、非常に面白い体験をさせてもらった。
冒頭からいい加減な楠木節全開なんだけれど(笑)、まず最初に自分の本を持ってくるし、巻末に自分のロングインタビューを挟むという、珍しい構成。
取り扱うジャンルが幅広いのだが、楠木先生は言語化できないセンスとか習慣みたいなところにものすごくアンテナが反応するみたいで、「日本の喜劇人」とか芸能界を扱ったノンフィクションとかも出てくる。
それを読んで何を考えたかという話が延々出てくるんだけれど、それがまぁすごい。
先日、山口周氏の「独学の技法」で、テーマを決めて読書をしていくという主張に「なるほどなぁ」と思ったばかりなんだが、何を読んでも自分の勉強の学びに繋げていく貪欲さに驚く。
プロの学者だからなぁ、山口周氏なら「良い子は真似しちゃいけない」と言いそうな濫読ぶりなんだけれど、そういう道もあるのかなぁ、なんて。
400ページ超の大部だが、あっという間に読み終わる面白さであった。
まぁ、ご参考ということで。