人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

映えていてもあくまで個人の記憶

何かでリリース案内を見て、キャッチに惹かれてセール料金で購入。

 

インスタとかでのバズり、加工技術だけでなくAIによる生成とかある時代に、写真撮ってどうするんだっけ、的なキャッチだったと思う。

そりゃ考えるよね。

 

「いいね」がつけば嬉しいし、自分のアウトプットが美しくなれば「おぉ」と思うんだけど、自分自身がシャッターを押した、その瞬間の心の動きと乖離していく、という感覚は確かにある。

では、そういう時代、技術、メディアに対して、どういうスタンスを取るのか。

 

そんな話が繰り広げられつつ、著者のバズりまくった写真の数々も見られるという本。

著者は写真家であり、文学研究者、それも難しい感じの文学研究者なので、かなり「哲学的」な文章である。

 

論考は変遷していき、最終的にはいくらバズろうとも、写真家個人の記憶とは切り離せない(だから今日も撮り続ける)という結論に収斂していく。

その辺のプロセスを味わってみたいという人は是非ご一読を。

 

ちょっと噛みごたえのある本ではあるので、社会学、哲学系の論考を読みなれている人じゃなければ、立ち読みすることをお勧めするけど。

写真もすごいが、写真を見るためだけに買うのはちょっと勿体無いので。

 

まぁ、ご参考ということで。