積読在庫消化。
随分とまぁ物議を醸しそうな著者である。
最終章を自分がヘイトではないという論考にまるまる使っているのである。
小生が今まで読んできた本のイスラム関連の記述は、本書の著者が批判する「誤った」説明とのこと。
もちろんイスラムの教義の中にはジハードがあって、それ自体は否定のしようがないと。
ただ、全てのイスラム教徒が暴力的な異教徒排斥を実践するわけではないので、イスラム教と個別のイスラム教徒を同一視してはいけないというのが著者の主張。
既存のイスラム理解者は自分たちの利権を守るためにウケのいい説明をしているだけであり、それはイスラム教の理解を曲げているんだぞと。
正直、世界の現実を見ると、著者の言うことにも説得力がある。
ダイバーシティ&インクルージョンの思想でイスラム教徒を受け入れようと西欧・アジアは取り組んでいるが、イスラム教自体にダイバーシティ&インクルージョンの思想がなく、逆に利用されているように見える。
だとすると確かに由々しいのだが。
日本の田舎にイスラムの住人が増えて、自分たちの文化だから土葬を認めろとトラブルになっている事例が紹介されているのだが、確かにそうなると諸手を挙げてダイバーシティ&インクルージョンではないよねぇ、と。
著者の主張をまっすぐ受け入れるつもりもないのだが、今まで読んできた本も偏っていたかもしれんなと。
勉強になりました。
まぁ、ご参考ということで。