人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

知らない歴史

近所の古本屋で出会った一冊。

 

本書の内容より先に、著者の説明をしたい。

元は映像中心の作家さんで、麻原逮捕後のオウム真理教を取材した映像作品シリーズで有名になった人。

 

小生はその後Webメディアでの著者の連載を読み続けていたのだが、一貫して大衆や世論の空気に流されて誤った意思決定をする日本社会を批判的に論証している。

そういう前提を踏まえ、戦前にベトナムから日本に渡り、日本の支援をもとにフランスからの独立を目論んだものの、不遇を託ち祖国に帰ることなく日本で没した王族の足跡を辿っている。

 

その史実を淡々と、ということではなく、当時の日本社会の雰囲気とか世論とかが、思い切り著者が前に出てきて語られるところは好き嫌いが分かれるかもしれない。

でも、その日本社会の問題を今なお感じる小生などは、思わず唸ってしまいながら読み進めてしまう。

 

それにしても、こんな人が居たとは全く知らなかった。

残念ながら誤解もあり、ベトナム本国でも忘れられつつあるようだが・・・。

 

知らなかったといえば、犬養毅頭山満新宿中村屋主人の相馬愛蔵周辺の活動である。

アジア独立運動を様々な形で支援しており、右寄りの人がロマンを抱くエピソードが満載。

 

なんせ世界史選考だったもので知らなんだ…。

中村屋のカレーでも食べながら、当時に思いを馳せながら、今も変わらない人間の歴史の理不尽を考えたい。

 

まぁ、ご参考ということで。