積読在庫消化。
買ったのはKindle日替りセールだったと思うけど、友人・知人から吉村昭作品は読んでおくべき、というお勧めをもらっていて買っておいたのだ。
「吉村昭はすごいよ」と聞いてはいたが、確かにすごいわ。
テーマの選定も鋭いし、恐らく圧倒的なボリュームの取材をこなし、淡々とした筆致・展開でありながら、背筋が寒くなるような恐怖が伝わってくる。
映画でもなく、漫画でもなく、ノンフィクションの本だからできる表現。
いや、確かにすごいわ。
で、本書は太平洋戦争中の日本軍細菌兵器研究を追った話。
まー凄いですよ。
「夜と霧」でも人間の恐ろしさがわかるけれど、完全に狂気の世界。
戦争という極限状態は、ここまで人間を変えるんだなと。
なんかこう、御託を並べるんだったらこれ読んでから言ってみな、というくらいの凄みがある。
ゾッとしますわ。
それを描こうと思い、描き切る著者が素晴らしい。
良い出会いでした。
まぁ、ご参考ということで。