引き続きパンを焼いている。
味とバリエーションを追求するならパンは買ったほうが良い。
安くて美味しいお店が東京にはゴロゴロある。
簡単に焼きたてを味わいたいならホームベーカリーを買えばいい。
でも家の道具を増やしたくはない。
今のところパン焼きが続いているのは、自分でこねて焼いて食う、その一連のルーチンがなんとなく充実しているからだ。
米を研いで炊いて食うように、強力粉をこねて焼いて食う、あたかも普通の家事のように。
だからお父さんの週末の趣味でもなく、明日のパンが無くなりそうであれば平日の夜でも焼くので、週3回ペースでこなしている。
お前の焼くパンは美味いのかって?
少なくとも自分では美味いと思っている。
しかも家事で焼くパンだから、同じパンを延々焼いて食っている。
前置きが長くなったが、同じパンを延々焼いているのも芸がないのでバリエーションを増やすべく、上記のような本も読む。
Amazonのレビューを読むと、詳細な手順が書いていないのである程度の経験者向け、と紹介しているけれど、そんな感じもしない。
いや、でも細かい部分はやっぱりそうかな…。
生地をこねるプロセスにおいて、多くのレシピが10分〜15分と書いてあるのだが、本書はあえてそれを50回という書き方にしている。
じゃあ50回でバカ正直に完成するかというと、ちょっとむずかしいような気がしなくもない。
っていうのはやっぱりある程度の経験者向けということか…。
それにしても、この本の写真は美しい。
クールなトーンでパンの存在感が引き立つ。
湯気の立つようなシズル感ではなく、ほのかに小麦の香りがする存在感。
上記の50回というのもそうだし、「加水率」とか、同じ材料でバリエーションをという意気込みも含め、世の中にないアプローチを取ろうとする著者の意気込み、ストイックさのようなものが伝わってくる。
ちょっと高加水率のパンは作るのが大変そうだが、やってみる価値はありそうだ。
見た目で惹かれるところは大いにあるのだが、それも大事だよね。
まぁ、ご参考ということで。