人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

世界は良くなっている

読まなきゃと思っていた積読のベストセラーにやっと手を出す。

 

ビジネス書の分野では、かなり話題になったと思うのだが、ご存じない方のために少し解説すると、世界全体を表す統計数値を片手に、皆が勘違いしがちだが世の中がかなり良くなっていること、にもかかわらずどうして悪くなっていると思うのか、ということを豊かなエピソードともに語っていく本である。

著者が持ちネタにしていた世界の変化にまつわる三択クイズがあるのだが、いろいろなところで出してみると、たいてい正答率が33%を切る、すなわち当てずっぽうより悪くなるらしい。

 

それは、各種メディアで知る「世界の問題」が過剰に表現されているからであり、人間もそういった情報に敏感に反応するようになっているから。

そういうフィルターを取り除いてみると、びっくりするほど世界は良くなっているのだが、「びっくりするほど」と感じるということは、如何にそういったフィルターに反応するようになっているか、という証でもある。

 

まぁそれは読者である小生も例外ではないわけで。

本書では単なる啓蒙にとどまらず、正しく世界の進歩をとらえないとビジネスチャンスも逃すぞ、というビジネス的な側面もあり、なるほど日経から出版されているわけはこういうことかと。

 

洋書の例に漏れず、ちょいと長いのだが、十分楽しめて希望も持てる、そんな良い本であった。

まぁ、ご参考ということで。