武術研究に勤しみつつ、ビジネスにもどっぷり浸かってきて、十数年前からなんとなく思っているのが、道場経営を含むコンテンツのビジネスっていうのは、三角形の形をデザインすることなんだろうなということ。
三角形というのは、ライトユーザー(道場なら初心者)からヘビーユーザー(同、上級者)が織りなす階層構造の三角形。
ライトユーザーがボリュームゾーンとして底辺に居て、尖ったヘビーユーザーが三角形の頂点をなす。
裾野が広く高さが低い鈍角の三角形ならヘビーユーザーとライトユーザーの距離は近く、全体の面積となるビジネスの規模も大きくなりやすいが、尖りがないので発展性がなく、飽きられやすい(裏を返すと常にユーザーが入れ替わる前提ということになろう)。
逆に、裾野が狭いがヘビーユーザーの尖り具合がすごいという鋭角の三角形は、高さが作れるが面積が狭く、裾野が狭いために脆弱(形として倒れやすい)。
「すべてのジャンルはマニアが潰す」ってやつですね。
鈍角に過ぎると、ビジネスとしては成り立つが、「これ結局なんだったんだっけ?」というくらい元々のコンテンツ(伝承)がうやむやになる。
鋭角に過ぎると、時に天才を産むが、次が出てこないので存続が危うい。
正三角形が正しいかどうかは別として、鋭角でも鈍角でもなく、バランスの良い三角形を保ち、三角形のサイズ全体を大きくしていく。
大きくしていくことで、上にも横にも広がっていき、全体のレベルも上がりながら、ビジネスのサイズをも大きくできるのが理想。
そりゃなんだ、と言われれば、ヨーロッパを中心とするサッカーでしょうねと。
着実に裾野を広げ、着実にレベルを上げているように見える。
道場経営もそうもっていければいいんだけどねぇ。
まぁ、ご参考ということで。