人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

トップを落とさなきゃ意味がない

流行り言葉は流行っているうちに、ということで、こんな本を読む。

 

著者と経営する会社のことは良く存じ上げなかったのだけれども、DXのコンサルティングを主業としているようで、基本的な考え方やぶつかりがちな壁とその対処法、事例などをわかりやすく説明してくれている。

そりゃそうだよね、という本質的な提言が数多く掲載されていて、普通に良い本だと思う。

 

とはいうものの、色々ソリューションを売ってきた小生の経験上、こういう取り組みってトップが本質を腹落ちした上で動き出さないと、上手くいかないだろうなと。

「ぶつかりがちな壁」の殆どが、社内のリソース調整の問題だったり、事業の根幹を変えるための覚悟の問題だったりとするので、これはボトムアップで取り組んでも無理(もう断言しちゃう)。

 

日本人(小生も含まれる)の大好きな草の根の活動からうねりを生み出し、大きな組織が変化していくというのはドラマチックで素敵だけれども、ボトムの個人が死屍累々だし、そんなので何年もかけている時間はもう無いんだと最近は思う。

新規事業も同じで、組織全体が新たなチャレンジに前向きである状態が望ましいと常々考えているけれど、人の入れ替えも含めて5年も10年も掛けられる余裕は、もはやどんな企業にも無いと思うので、そうなるともうトップダウンじゃないかなと。

 

変革の本質をトップが理解し、腹を括り、全社を巻き込んで根気よく取り組んでいく。

そこまで持っていかなきゃ、効果はないだろうなぁ。

 

まぁ、ご参考ということで。