人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

リバイバルは苦し紛れの一手なのか

企業の個別の施策に関して云々するのは趣味ではないのだが、あくまで一例ということで引き合いに出させていただく。

昨日リリースの新商品「アサヒ生ビール」である。

 

※参照

https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2021/09/2021-0909-1148-14.html

 

86年に業務用を中心に販売していたブランドを復活させたらしい。

パッケージはお洒落だと思ったので、思わず買って飲んでみた。

 

が、個人的にはイマイチ合わなかったので、残念ながらもう買わないと思う。

なんかこう、苦しかった下積みサラリーマン時代に注いでは注がれて飲んだ、ヌルくて泡の消えたあの瓶ビールの味に、少し抜けが強い香りがついた、そんな感じの印象を持ったのである(関係者の皆さん、ごめんなさい)。

 

元・住友銀行員としては、これも含めて苦戦してたからスーパードライで起死回生を計ったんじゃなかったっけ、などと良からぬ考えを巡らせる。

とにかく、本件に限らず、昔のブランドを復活させる動きは良くある。

 

大抵うまくいかないような気がするが、復活させるにあたっては、相応の企みが必要なはずである。

一度は消えたブランドには、消えた理由があるわけで、その理由はどうなったのか。

 

時代は変わっているのに、昔のものが通用するというロジックは何か。

時代の方がやっと追いついたとでもいうのか。

 

ビールはかなり飲まれなくなってきているはず。

かろうじて飲む需要についても、第三のビールとプレミアムに二極化した。

 

今後更に飲む機会や一人当たりの飲む量は減っていく中で、またクラフトビールなどの多くの選択肢が増えている中で、どんな機軸で攻めるべきなのか。

ビールと合わせて飲む食事だって、だいぶん変わったはず。

 

そんなことを抑えた上で、打ち出す商品が本当に35年前のブランドの復活で良かったのか?

素人ではあるが、大いに疑問。

 

あ、ひょっとして…。

もはやビールを買うのは中高年男性だけだから、「昔懐かしい」ブランドの復活で一定の需要が見込めるのだ、と考えたとか?

 

あるいは、どんな新商品も決裁がおりず、経営陣の青春時代を思い出させる懐古主義しか通らなかったとか?

いずれにしても、あまり先がなさそうである。

 

こわいこわい。

まぁ、ご参考ということで。