人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

新規事業に取り組む本当の理由

なんかこう、タイトルだけで色々な議論を呼びそうなのだが。

ファーストリテイリングの柳井さんは「一勝九敗」と言ったけれども、新規事業のコンサルティングをやっていても、「一勝四敗五引き分け」くらいに持っていけるか、というところがせいぜい。

 

大体の経営者は「頭では」わかっているし、経験のある経営者なら肌感覚で理解している。

圧倒的に既存事業に集中する方が正義なのに、なんで新規事業に取り組むのか。

 

最大の理由は、組織の停滞を防ぐことだと思っている。

既存事業にひたすら集中していると、カイゼンという名の内向きの最適化に進化していくので、効率化は進んでいくが、社会の変化とは離れていく。

 

また、従事する人間も基本的に言われたことを正しく行っていくことがメインになっていく。

こういう仕事だと、本当に優秀な人間は業界ナンバーワン企業にしか集まらない(順位をひっくり返すチャレンジに二番手三番手企業に入る人はいるけど)。

 

そうやって業界内の差は静かに開いていく。

そこで組織的なチャレンジである新規事業が必要になる。

 

新たなチャレンジというだけで野心的な人材は集まりやすい。

新規事業を通じて、ちゃんとお客様の声を聴くことで、既存事業の立ち位置も冷静に見極めることができる。

 

ちゃんとお客様の声を聞き、ヒトモノカネの全てを網羅的に考え、運営する経験は、社員の成長に大きく貢献する。

新しいアイデアを見聞きし、「食べて」みて「消化」する経験は、結果的に新規事業をやるやらないに関わらず、組織の風通しを良くし、思考を柔軟にする。

 

そうやって組織としての柔軟性を保つ。

新規事業っていうのはそういうものだと思うんだけどなぁ。

 

まぁ、ご参考ということで。