人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

命令するのは簡単だが

こんな本を読む。

 

Kindle日替りセールでレビューが高かったので購入。

タイトルでは「作り方」となっているが、実録記・回顧録のような仕立て。

 

7つの習慣」のコヴィー博士の名前が帯にあり、同書ののテイストは少し入っている(著者が勉強していたことによる)が、多くはない。

軍隊というのは上意下達でなければ困る組織なわけだけれども、その中でボトムアップ的なマネジメントを試行錯誤し、海軍内で高い評価と部下の育成を獲得したのだから、どんな風に取り組んできたのかは興味津々ではあった。

 

なかなか簡単には行かなかったようだが、相手の名前と自分の名前を名乗って挨拶するところから、みたいな感じが微笑ましい。

「我々は何者なのか」というビジョンを皆で考えるところ、問題解決の真因を議論して具体的なアクションとして改善につなげていくところなど、組織人としてなるほどと思うことはあると思う。

 

ちょっとした変化を積み重ねて、気がついたら優秀な潜水艦になってしまっているので、物語として捉えると結構あっさりなのだが、まぁそこはそれ、小説を読んでいるわけではないので・・・。

なんでボトムアップのマネジメントをやろうとしたのか、そのモチベーションの元は、離職率が高く問題の多い現場をなんとかしたいというビジネスパーソンとしての誠実さだったり、部下に成長してもらいたいというヒューマニティだったり、というのはあったのだと思う。

 

しかし、著者も述べているが、何でも艦長が命令するのは簡単(というほどでもないが)だけれども、艦長が間違った判断を下したらみんな死ぬんだぜ、それって困るだろ、という現実的なスタンス。

刻々と変化する状況で、(潜水艦なので)視界もなく、極限状態の中で正しい判断を下していく為には、それぞれが能力を100%発揮すべきでしょう、ということである。

 

一番賢いやつが組織を引っ張っていく時代は終わったということではあるよね。

そんなことを考えさせられる一冊であった。

 

まぁ、ご参考ということで。