人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

誰のためのスポーツ

こんな本を読む。

 

Kindle日替りセールに登場し、レビューが猛烈高評価だったので購入。

子育てには一応真剣なつもりだしね。

 

サッカーを愛し、世界中でプレーし、現在サッカースクールを運営する著者による、サッカーを通じた子供の育成に対する考え方を述べた本。

育成に繋がらない従来の日本のスポーツ指導に対する強烈な批判ともなっている。

 

親として耳が痛い提言ばかりだし、「いや、仰る通り」という日本スポーツ指導の悪癖と、それに対する著者の取り組みに感心したりと、ちょっと感想がまとまらない。

大会は年に一度のトーナメント戦→絶対に負けられない→勝利至上主義→出来る子たちにしか試合に出る機会がない→その他大勢の子たちは楽しくない→嫌いになってしまう&裾野が広がらない、という悪循環。

 

「サッカーはサッカーを通じてでしか上手くならない」とヨーロッパでは言うらしく、リフティングやドリブルの上手さを競うような練習はしないらしい。

もちろんテクニックは大事だけれど、サッカーは認知→判断→行動を連続させるスポーツだから、認知と判断が間違っていれば、テクニックは役に立たない。

 

認知と判断を養うのは、試合を通じてPDCAを回していくことでしか身に付かない、そういうことなんだろう。

しかし、小学校の時のサッカー部は、リフティングの回数でレギュラーを決めていたなぁ…。

 

戦後70年をかけて、ずいぶん曲がったルートでスポーツ指導が進んできたように思うけれど、今こうして異議を唱える指導者が世に出て、それに育てられた子供たちが指導者となり、疑うことなく育った三世代目あたりで、やっとヨーロッパに肩を並べられる日が来るのかもしれない。

 

イギリスの諺「犬の躾は三代かかる」というのを思い出す。

つくづく、子供には幸せになってほしいなぁと。

 

まぁ、ご参考ということで。