人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

高級文房具

私の尊敬するクライアントの方が、使いこなせる程の組織や事業でも無いのに、高学歴の人材や戦略コンサルタント出身者を雇って本社のスタッフとする行為を「高級文房具」と評していた。

これは本当に言い得て妙。

 

モンブランの万年筆だからといって字が綺麗になるわけでもなければ、名文が書けるようになるわけでもない。

フリクションより不便だし、ジェットストリームより滑らかではないし、メンテナンスコストもランニングコストも高い。

 

小生もそういう買い物はするので否定はしないが、あくまで見栄と自己満足のためのもの。

採用する側も採用される側もお互いわかって合意しているのなら良いが、そういうことはほぼないので、大抵の「高級文房具」は短命に終わることが多い。

 

昔、その業界ごと立ち上げた、と評しても過言ではない創業オーナーとお話しした時のこと。

「経営企画」という話になって、そのオーナーは仰った。

 

「売上で数百億の規模までだったら、創業オーナーが誰よりも詳しいんだから、そんなヤツは要らない」

これもまた名言、その通りだと思う。

 

事業を作ってやり続けた人間が、先の見通しについて最も明るいのは当たり前。

一つの業界にドップリだから、もちろん見えていないこと、知らないことはたくさんあるけれど、その自覚さえ有れば何の問題もないと思う。

 

勉強ができて色んな業界を見てきただけのコンサルタント出身者を手元に置いたって、オーナーの筆圧ですぐにペン先が折れるだけ。

高級文房具はもっと後、事業にやる気がなくなってからにしてください。

 

まぁ、ご参考ということで。