こんな本を読む。
本書はシステム思考といわれる方法論を解説するもので、「そりゃなんだ」というと、現象を構造で捉えようとするもの、といえば良いだろうか。
何か問題が起きた時に、単純に解決策を求めに行くのではなく、現象に連なる因果関係を紐解き、全体の構造を明らかにして、本質的な解決を目指すというもの。
本書の解説自体はそんなに複雑ではないので、すぐに読めるし、裏を返せば凄い知見が得られるほどではない。
へー、と思ったのは、因果のループを書くのは割と日本人はできるらしいということ。
なんでしょう、輪廻転生の文化圏だからでしょうか…。
それはともかく。
以前、人材紹介会社にいた際に、当時のベテランコンサルタントがまとめた「優秀な人材とは」といった類の資料を読み込んだことを思い出した。
その中の一つに「物事を現象面で語らない」というのがあったと思う。
仕事上の何かの成果・取り組みがあったとして、それがどうだったかだけではなく、会社にとって、所属する業界にとってどんな意味があるのか、それによってどんな変化、未来が予想されるのかを語れること、だったと記憶している。
それをちゃんと語れているかを見るエージェントも大変だなと思ったけれども、なるほど確かに、よく知る優秀な人材というのは皆そうだなと感心したものである。
小生の師匠は「現象論・構造論・本質論」と語っていたけれども、そこまで難しく考えられなくても、今の会話は現象の話なのか、構造の話なのか、本質の話なのか、それを意識するだけでも全然違って見えてくると思っている。
まぁ、ご参考ということで。