小生は新卒で銀行に入社している。
当然の流れとして人事からは日経新聞を読むことを求められ、一面から株式面に至るまで、毎日チェックする日々が始まる。
新人研修で市場関係部門の偉い人の講話があり、アメリカ大統領選挙と為替の関係という、今思い出しても知的興奮を刺激される話を聞いてからは、積極的に国際政治情勢も知りたくなり、「選択」とか後に「FACTA」とかも購読するようになる。
広く情報も収集するようになるが、だんだん仕事も覚え、会社や業界の状況が掴めるようになってくると、今度は日経の記事に違和感を覚えるようになった。
自分たちが所属する銀行や証券業界についての記事に「これちょっと違うんだけどな」「それって日経の見立て、日経が考えるストーリーに都合が良いところを拾ってるだけでしょ」と思うことが多くなったのである。
皆さんもそう思うこと、あると思う。
そんな違和感を感じつつ、銀行を辞めた後も購読は続け、人材の世界に飛び込んでしばらくしたある日。
日経の人材業界について書かれた記事を目にして、「これちょっと違うんだけどな」「それって日経の見立て、日経が考えるストーリーに都合が良いところを拾ってるだけでしょ」と思ったのである。
「あれ?これ銀行の時も思ったな」
「なんだ、どの業界についても、中の人からすればイマイチなレベルの情報しか書いてないんだろうな、きっと」とすぐに思ったのである。
これは「読んでいる人が多いから話を合わせるために読む」ものであって、内容は当てにならないメディアなんだと気づいた瞬間であった。
時と共に、新聞を読まない世代の人たちが増え(そういう業界に居たというのもあるが)、話を合わせる必要も亡くなった数年前から読むのをやめた。
それでも遅すぎたと後悔しているくらい。
今はいろんなメディアがあって、業界の中の人がブログや無料有料の記事で自由に深い話を発言できる時代。
真贋の見極めは経験を要するが、そこを押さえすれば、かつてでは考えられないほどの量と質で情報を得ることができる。
良い時代になった物である。
まぁ、ご参考ということで。