人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

良い点を残す難しさ

イノベーション関連の本を色々読んでいて、かつての日本はどうだったのかなと思い、一応読んでみた。

 

本書を知らない人も多くなったと思うのだが、戦後の高度経済成長を経て飛躍的に躍進した日本の社会・文化の調査を行い、当時のアメリカに「警告の書」として上梓された本である。

原著の出版が1979年だから、もう40年以上前。

 

「昔はこんな風に称賛されていた時代もあったのだ」という文脈で本書を引き合いに出す場面には何度も遭遇したのだが、こういう本こそちゃんと読んでおいたほうが良い気がして、手にする。

確かに古い時代の話だし、訳者後書きでも書かれているが褒め過ぎの感はある。

 

それはともかく、読んで感じたことのひとつは、美点として著者が指摘してくれたことを、我々は結構捨ててきたなぁということ。

勤勉さ、仕事に対する情熱、仕事も人生も楽しむスタンス、地域や家族との繋がり。

 

ウェットな人間関係は小生も苦手だが、勤勉さとか、仕事に対する情熱とかね。

「人生を楽しむ」って、どの日本人の何を見たんだろう、とすら感じてしまう。

 

良い点が失われてしまったのは、なんらかの理由はある。

良い点だからといって、それだけで無条件に存続するわけではなく、きっと努力が必要なのに、それを忘れて取り組んでこなかった、ということなんだろうな。

 

良い点を残すにも努力が要る。

心しておきたい。

 

まぁ、ご参考ということで。