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「教養としての政治学入門」 読了 〜社会を理解する切り口〜

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教養としての政治学入門 (ちくま新書)

教養としての政治学入門 (ちくま新書)

  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: 新書
 

 

 

Kindle日替りセールでお勧めされてポチった一冊かと思う。

昨日レビューした書籍の、民主主義の分断に関わる興味の延長で手にする。

 

本書は成蹊大学の教員たちによる一般向け政治学の入門書。

元々は学生向けのガイダンス的なところを再編集したようだが、大学の研究者が啓蒙の書を世に問うという意欲は高く評価したい。

 

政治学といってもそのアプローチは幅広く、国内外の政治史、国際関係、社会保障などなど多岐に亘り、それぞれを専門とする教員が、概略と論点及び参考文献を示す、というバラエティに富みながら「入門」として有効な構成の本である。

かいつまんで色々知りたかったり、深く突っ込んでいく分野を模索している人にはとても良いだろう。

 

これだけ多様だと、政治という人間社会そのものを分析するにも、色々な切り口があるのだなと感心させられる。

ちなみに本書にはアメリカの政治についての章があるのだが、その中の記述では近年の傾向として、民主党共和党の議員の政治信条が両局化しており、いわゆる中道とされる存在が両党ともに失われている、というものがある。

 

昨日の「なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか」と同期する内容で、「やはり」と納得するものがあった。

また本書には中国史の章もあり、これはこれで興味深いのだが、昨今の両国緊張関係、及び間に挟まれた日本ということを考えると、米中の政治をウォッチしておくことは、今後も必須の教養だろうと感じた。

 

まぁ、ご参考ということで。