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著作権法の本を読んだので、法学つながりというわけではないのだが、一応大学の専攻は刑法総論だったのでね…。
Kindle日替りセールをポチるといういつものパターン。
このタイミングで選択したことにあまり意味はないのだが、ちょっと抽象度の高い本が読みたかった気分。
久しぶりのこういう読書は楽しかったけれども。
本書はタイトル通りの内容ではあるのだが、著者の立場は明快で、死刑反対である。
それを声高に押し付けるわけではなく、なぜ問題なのか、道徳とは何か、といった議論を踏まえ、政治哲学や冤罪の問題に進み、結論を示すという構成になっている。
なので、延々と道徳をめぐる論考が続くわけでもなく、新書を読むような読者を飽きさせない展開になっており、気持ち良く読むことができた。
言語で善悪を記述することはできない、といったあたりは、かなり抽象度は高かったし、他の論者の見解も聞いてみたいと思ったが。
著者の主張はこうだ。
まず、死刑には必ずしも期待される効果が論証されているわけではない。
そして社会構造上、冤罪というものは必ず起こりうるし、それによって死刑に処されてしまえば、取り返しがつかないので、やめるべき、というもの。
聞いたことがあるような主張であるものの、小生は非常に説得力があると感じたが、いかがだろうか。
誰しも間違いは起こす。
それを前提とした時に、致命的な間違いにならないようにするのは、仕事の場面では極めてベーシックな考え方だと思う(仕事に限らないとは思うが)。
それを社会構造でも持っておくことは、なんらおかしなことではない。
さらに言えば、誰もが冤罪の被害者になりかねないのだし。
興味のある方は是非。
まぁ、ご参考ということで。