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若い読者のためのアメリカ史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー】
- 作者:ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2019/02/18
- メディア: Kindle版
イェール大学出版局の歴史シリーズは本書で3冊目になる(あと2冊ストックがある)。
若い読者でもなんでもないのだが、読み物として綺麗に纏まってあり、知的好奇心を満たしてくれるシリーズ。
本書は、彼の国のおおよそ500年の歴史を紐解くもので、40章立てでそれなりに長い。
もちろんコロンブス以前から人は住んでいたのだが、なにぶん文字の記録がなく、また今の形につながる歴史となると、やはりコロンブス以降となる。
それなりに理解していたつもりだったのだが、改めて専門書を通読すると、いろいろ感じ入るところがある。
アメリカという国は、キリスト教との結びつきが非常に強い国なのだが、ピルグリムファーザーズだけでなく、キリスト教の理想社会を切り開くために多くの宗派が入植しており、もはやDNAに染み付いているのでは、と改めて思わされたこと。
欧米列強の統治と衝突、世界中からの移民受け入れと定着。
奴隷制という負の歴史と、歪んだ形で今も継承される様々な差別。
それらを克服しようという努力や、そこに通底する自由と平等の理念。
分断と統合を繰り返し、多様な価値観を受け入れ、多くの闘争や犠牲を払いながら、怒涛のような歴史を紡いでいる。
そして今なお超大国として君臨する様を眺めるに、「強靭」という言葉と、中学時代に聞き覚えた「人種の坩堝」という表現を、小生は想起する。
彼の国の強さの源泉を見た思いがして、唸らせられるのである。
まぁ、ご参考ということで。