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昨日のエントリーで予告した通り、武蔵中学・高校についての本。
http://dai19761110.hatenablog.com/entry/2020/02/06/212135
その特殊と言われる教育方針が如何なるものか、興味を持って拝読。
残念ながら小生はもはや入学できないし、子供も女の子なので難しいのだが、本書に書かれたエピソードや考え方は、大変興味深く読んだ。
同校には40年以上前に修学旅行をなくしてしまったそうなのだが、その理由が基本的な考え方を表しているように感じる。
曰く、観光的な旅行になってしまうのなら、学校行事でわざわざ行く必要はないし、本当に学びを主体とするなら、生徒一人一人の学びたいことや興味はバラバラなのだから、これまた団体で行くことには無理があり、だったら他所の学校がどうであろうがやめてしまえ、というもの。
本人たちの自由を尊重し、興味のある分野をとことんやらせるし、授業もリベラルアーツ的と言われるようだが、各々の教科の面白さに気付かせるように先生方が腐心しているように見受けられた。
ある授業では、徒然草の全文を一年掛けて読む、みたいなことをしているそうなので、もはや大学のノリに近い。
でも学習指導要領はこなしているんだろうし、大学受験では東大合格者を多く輩出しているのだから、生徒たちも基本的には勉強が出来る子たち(それも多分、普段の授業だけでいい点をとってしまうような本当に出来る子たち)なのだと思う。
そういう校風を、かつてより東大合格者数が減った批判をものともせず、受験一辺倒の価値観に反旗を翻し、あわよくば同じ価値観の学校を仲間として増やそうと考えているようなので、非常に頼もしいし、応援したい。
もちろん勉強は大事だし、良い学歴を否定するものではないが、嫌々ながらも我慢して勉強する、あるいは一生懸命勉強する(しないと点が取れない)というタイプの人たちは、勉強で本当に上を目指すには、少々無理があるのだ(小生もそうだ)。
だったら、自分の子供には、心の底から面白い・楽しい・好きだと思えるものを見つけて欲しいのである。
親として感じていることを再認識させてくれる、そんな一冊であった。
まぁ、ご参考ということで。