人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

あの営業マンは何がいけなかったのか?

先日近所のカーディーラーに行った時のこと。

小生が購入したことのないメーカーだったので、「一見顧客」としてお邪魔した。

 

とはいえ、試乗予約まで行った状態なので、業界的にどうなのかはわからないのだが、具体的に検討するメッセージは行ったつもり。

で、結論としては、試乗したクルマは非常に良かったものの、そのディーラーからは買わない、ということになった。

 

こちらは長く営業を頑張ってきたので、どうしても営業の対応は気になるし、こうあって欲しいという思いが強い。

極めて余計なお世話なのだが、自身への戒めも含め、何がいけなかったのかを整理しておく。

 

まず、なぜクルマを買うのか、それも今のクルマがまだ5年というタイミングで購入するのかをしっかり聞いて欲しかった。

こちらはまだ早いというやましさと、それでも必要ではないか、という思いでグルグルしているので、その辺をきっちり受け止めてほしい。

 

それから、いかにも営業っぽい話し方はやめた方がいい。

出会った営業マンは、まだ自然な方だと感じたが、それでも普段家族や友人とはこんな風ではあるまい、と思わせるもので、客と営業という立場ではあるものの、壁なくコミュニケーションを取り、しっかり検討し尽くした手応えと、人間として任せて良いと思える安心感が欲しかった。

 

あとは、受け身の姿勢というか、こちらの出方を伺うかのような距離感が、どうしても突っ込んでいく気になれなかった。

一見顧客だとこちらは理解しているから、距離感を持たれると「コイツは本当に買う気があるのか?」と営業側に値踏みされているかのような印象を受けるのだ。

 

これは小生だけではないと思うのだが、高い買い物というのは楽しい。

散財そのもののスリル、失敗した時の損失からくる恐怖、それでも欲しいという野生的な欲求の自覚、グルグル検討する熱量と疲労感。

 

生涯に数えるほどしかない高い買い物というのは、そういったことを、とことん楽しみたいし、その最重要パートナーとして営業が存在する。

自分が理想とする営業像、見事なまでのテクニック、演じているのか素なのか全く見分けがつかない誠実さ、そんなこんなに「やられてしまう」ことができれば、最高の思い出と共にその買い物が成立する。

 

もちろん過度な要求なのだが、車を買う時くらい、そんな楽しい思いをしたいもの。

そして小生は、無茶苦茶クルマにうるさいのだが、そんな営業に出会ってしまうと、クルマ自体は結構なんでも良いタイプなのである。

 

営業の本質って、そういうところだと思うのだが。

まぁ、ご参考ということで。