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なんというか、歴史つながりで積ん読在庫を消化し続けている。
社会人もいい歳になってから、改めて色んな切り口の歴史関係の本を読んでいると、「なんで歴史の勉強なんてするんだっけ?」という疑問が頭に浮かび、これから歴史を学ぶことになるであろう小学二年生の子の親としても、その疑問を解消せずにはいられない感じなのである。
本書は、学校教員としても塾講師としても長年の経験を持つ著者が、口語で楽しく日本史を語るという体裁。
そういえば昔、大学受験参考書で「実況中継」シリーズというのがあったが、それを更に砕いた感じ。
きっと人気講師だったのであろう、「へー」と思わせるエピソードを多数織り交ぜながら、飽きさせない。
お金の切り口も出てくれば、登場人物の心理を深読みした説得力ある推測も披露されて、読み物として面白いのは確か。
そして偶然ではあるのだが、あとがきで歴史を学ぶ意義が語られており、これもまた納得。
著者が述べるのは下記三点。
一つは、「それって本当か?」と疑問を持つこと。
教科書にはこう書いてあるが、果たして本当にその通りだったのか、考えをめぐらし、仮説を立てたり調査をしたり、いずれにしても疑問を持つことが、全ての科学の出発点と説く。
二つ目が、多様な価値観を受け入れること。
人間の歴史は、多様な人間が多様な思いで綾なしてきたものであり、それを理解することが、現代社会で生きていく知恵となる。
三つ目が、人間の愚かさと賢さを理解すること。
同じ過ちを繰り返し、しかし解決してきた知恵を理解して、新しい時代を切り開く礎とする。
当たり前といえば当たり前なのだが、日本の歴史教育において、この観点がどこまで保たれているのか、疑問に思うところである。
娘には、年号とか人物とか事件を丸暗記するような歴史の勉強は、させたくないなぁと。
そんなの、本当に「覚えて終わり、忘れて終わり」だよね。
試験に求められる知識がそうなら、対応せざるを得ないのだろうけれども。
まぁ、ご参考ということで。