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池上彰・佐藤優・出口治明の三氏は、小生の中では「多読・博覧強記・教養人」の三羽ガラスであり、これまでも著作は読んできた。
本書については、Amazonのレコメンドで拝見し、「はて、企業人の書く歴史書とはいかなるものか?」という興味本位でポチってみた。
最終的に何冊になるのかはわからないのだが、本書はシリーズとしての第1冊。
なんと、生命の発生から言及しつつ、人類史を年代ごとにエリアを跨ぎながら順に追っていく編集。
小生、高校の世界史は「山川」だったのだが、本書の方が地域の切り替わりが多い印象を持った。
当時の「山川」は、エリアを区切って数百年の区切りを追った後、別のエリアにテーマを移して年代を遡って再スタートという印象があって、全体像が掴みにくかったのだが、本書の方は短い年代区切りで「その頃こちらでは」という感じで進んでいくので、展開を追いやすい。
もう一つ感じたのは、一人の人間が「語り手」としてずっと進めていく構成は、頭に入りやすい。
もちろん全部記憶できるわけではないのだが、個人的にはすんなり読み進められた。
しかし、良くも悪くも歴史書であって、出口氏のカラーなり、含蓄なりというのは少々抑えめ。
ところどころに豆知識的な要素もあるものの、一定のテーマを持って深く切り込んでいくわけではないので、「後世の人間が受け止めるべき学び」みたいな観点も乏しいのだが、それは本書の建てつけ上、致し方あるまい。
小生の読書は、「(ビジネス、フィジカル、メンタルが)強くなるための読書」を目的としているので、本書の続きを読むかというと、ちょっと可能性は低そうな感じである。
それにしても、教養人と名高い著者ではあるが、学者でも研究者でもなく、企業人として一般の会社員よりも多忙な立場の人間が、世界史を書くというのは超人的である。
普通は書こうとすら思わないはずなので、驚異の一言。
いやはや、我々も頑張らなければ。
まぁ、ご参考ということで。