人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「未来国家エストニアの挑戦」 読了 〜必要は発明の母〜

まずはリンク。

未来型国家エストニアの挑戦【新版】 電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

未来型国家エストニアの挑戦【新版】 電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

 

 

イノベーション界隈では、国全体でICT化を加速化させているエストニアの事例は有名。

その視察に訪れる日本企業がイケてないという話まである。

 

https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%A7%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%8A%E6%96%AD%E3%82%8A%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%8C%E5%A2%97%E3%81%88%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1/ar-AABj8Qk

まぁ、シリコンバレー視察でもよく言われている話なので、既視感はあるのだが。

 

それはともかく、同国の取り組みが如何なるもので、ひとりの日本人として何かヒントになるものはないかと思い、拝読した次第。

エストニアで行政に関わったことがあるエストニア人と、日本人による共著。

 

序章にエストニアの概略や成り立ちがあり、制度や行政を中心とするサービスの具体的な紹介が続き、日本への提言という形で締められている。

旧ソ連から30年弱前に独立し、大国に地続きで挟まれながら歩み出した人口100万の国家となると、なるほど日本とはだいぶ状況は違う。

 

国として独立を維持しつつ、いかに成長軌道に乗せていくか、その必至の取り組みの結果としての電子政府など、ということのようだ。

どうもシンガポールベンチマークしたようであるが、高付加価値産業で存立を図り、そのためのツールがシンガポールは貿易と金融、エストニアはICTだったと理解できるので、シンガポールを引き合いに出されるとアジア人としては腹落ちしやすい。

 

中盤で紹介される彼の国の事例は、なるほど凄いねと思わされるものの、意外と慎重に設計されてるのね、というような話もあり、実は遥か遠い先をいっているわけではないんじゃないか、と思わされるところもある。

日本でもマイナンバーが導入され、まだ道半ばではあるが…。

 

本書でも主張されるが、この事例を「だいぶ状況が違う」異国の事例として受け流し、変化しない言い訳を述べるのではく、いかに真剣に受け止めるか、だと思う(当たり前だけれど)。

日本だって人口減少は消滅の危機と言って良いくらいだし、資源もないし、地方では過疎が進むし、もはや待った無し。

 

本書タイトル通り、今や未来国家と言われる国だって「挑戦」しているのである。

いわんやまさに衰退を迎えている国をや、である。

 

まぁ、ご参考ということで。