人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「知の教室」 読了 ~知識か教養か~

リンクを貼る。

 

まず装丁が怖い(笑)。

それはどうでもよいとして…。

 

佐藤氏の著作はまぁまぁ読んでいるのだが、Kindleのセールでレコメンドされたのでポチった。

著者の場合、星が四つ未満になることはあまりないので、四つ半以上を選んで読まないと、読むべき代表作に辿り着けないような気がする。

 

本書は、著者の文筆業10年目の節目として、書籍化されていなかった雑誌への寄稿文、対談、過去の論文を寄せ集めたものである。

編集上は一応、テーマ別の講座的な体裁になっているが、そこは「寄せ集め」なので、統一感は全くないし、著者が多作ということもあって、結構なボリュームの一冊。

 

単なる知識の寄せ集めではなく、真の教養足りうるものに昇華させるためにはどうするか。

国際情勢を理解するためには。

 

社会人としての「学び」とは。

そんなテーマが縦横無尽に語られる。

 

それなりに面白い本ではあるが、佐藤氏の語る教養本であれば、もっと綺麗にまとまった類書があるような気がするし、教養本ということであれば、池上彰氏の著作をあたっても良いと思う。

有り体に言って、佐藤優ファン向けの一冊という感じか。

 

それ以外にちょっとおすすめポイントが見当たらない感じがする。

現役官僚時代のロシア情勢をめぐる論文とか、貴重ではあるんだけれども。

 

まぁ、ご参考ということで。