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PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話
- 作者: ローレンス・レビー,井口耕二
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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初めに言っておくが、この本は無茶苦茶面白いので是非読んだ方が良い。
本年に読了した中で、屈指の一冊になると思う。
周囲にあまり読んでいる人は居ないようだが、たまたまAmazonで発見し、レビューも非常に高かったので購入した。
先日、映画業界の本を読んだから、というわけでもないのだが。
本書は、長年に渡りピクサーのCFO(最高財務責任者)を勤めた著者による回顧録。
まだショートムービーしか作ったことがない会社に、スティーブ・ジョブズに請われて入社し、株式上場、そしてディズニーへの売却までを成し遂げるドラマチックなストーリーであり、面白くないわけがない。
それにしても、著者のビジネスパーソンとしての優秀さ、である。
シリコンバレーでの弁護士経験を経て、IT企業の経営経験も持ち、ピクサーへCFOとして転身。
しかも世界でもトップクラスにクセがある、スティーブ・ジョブズというオーナーの元での仕事を遂行できる人である。
「もうこんな人、絶対にご縁を作りたい!」と小生のエージェント魂は震えるのであった。
それはどうでもいいとして(笑)、著者はこの転職が上手くいくのかと悩みながらも現場に入っていき、丁寧に現状把握に努めるところから着手していく。
その先は、これ以上ないんじゃないか、というくらい高いハードルや困難な意思決定の連続なのだが、小生の駄文でかいつまむより、是非本書を読んでいただきたい。
読了しての感想を、「面白い」以外に一つ述べるとすると、著者の仕事は非常に丁寧だなと感心したことが言えよう。
厄介な?オーナーとのコミュニケーションは公私を問わずこまめに行うし、社内の関係者への気遣いもあるし、社外との交渉も一段一段、階段を登るよう。
こういう能力こそ、オーナーの「右腕」としての資質なのではあるまいか。
職業人としての一つの境地である。
もう一つ蛇足の感想だが、本書に登場するスティーブ・ジョブズの姿は、あまり類書で見られない、おそらく等身大の姿が描かれていて、その点も非常に興味深かった。
「へ〜、ジョブズってブレストでそんな会話して、そんな風にホワイトボードに書いちゃうんだ〜」みたいな感じである。
まぁ、ご参考ということで。