人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」 読了 〜安直な法則はもちろんあるわけないけれど〜

まずはリンク。

 

先日再読した、「確率思考の戦略論」に引用されていたこともあり、拝読した次第。

dai19761110.hatenablog.com

 

著者は長銀の元取締役。

ja.wikipedia.org

 

著者のバックグラウンドから導き出された、経済的な法則や文化論、マーケティング的なアイデアなどが幅広く語られる。

本書自体は、ビジネスにも役立つエッセーといったところだろう。

 

何らかの研究成果とまではいかないが、アカデミックな匂いがするインサイトを期待するのはお門違い。

小生も、森岡氏の本で引用されるくらいなので、どれほどのものかと期待をしてしまったところはある。

 

既知の情報や著者の個人的な見解などが「ないまぜ」になっていて、軽く読むには十分興味をそそられるのだが。

個人的になるほどと思ったのは、「文化が先、産業化が後」というような説明をする下りで、文化的な憧れがあって需要が喚起され、十分な需要が見込めるからこそ産業化が進む、という説明は、確かにそうかも、と思わされるところがある。

 

だから日本は文化産業に進む方が良い、というようなトーンが全体にあるのだが、そこはやっぱり2000年代初頭の書籍。

今の時代から睥睨すると、「うーん、当時はまだその辺に希望は残っていたよね。今からその可能性って残ってるのかなぁ…」と感じるのが正直なところ。

 

ちょっと、小学校の卒業文集を読み返すような気恥しさを感じてしまう(苦笑)。

長期の視点で物を考えてみる、という意味では、良い刺激を与えてくれると思うので、10年・20年の計で何かの企画を打ち立てていく必要がある人が、新たな視点を得るために読むのが良いのではないだろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。