人間到る処青山あり

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「勝ち組企業の『ビジネスモデル』大全」 読了 〜社長になったつもりで考える〜

まずはリンク。

勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全

勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全

 

 

kindleアンリミテッドで面白そうなビジネス書を物色していて出会った一冊。

大前氏は以前からブログで有名企業の戦略を描いていて、その内容にいたく感心したことがあり、本書はそのエッセンス版ともいうべき内容なので、拝読した次第。

 

ちなみに大前氏の現在のブログは、もう少し大きなスコープで書かれているようだ。

https://www.lt-empower.com/ohmae_blog/

 

本書では、これからのビジネス環境を捉えるための概論が語られたのち、有名企業27社のとるべき戦略を、大前氏の視点で提示していく、というすごい本である。

「すごい」というのは、内容もそうだが、こんなことをやれる人、実際にやる人というのは、世界広しといえども大前氏くらいしか居ないんじゃないか、ということも含む。

 

提示される戦略は、なるほどと思わされるものももちろんあるし、実は深い事情まで聞いている元クライアントもいたりするので、ご指摘はごもっともなんだけど、それができない事情もあるのよね、というのもあるし、それができたらいいんだけど、現有のリソースでは実現は厳しいので、相当人材を入れ替えなきゃな、というのもある。

とまぁ、色々ではあるのだが、しかし大前氏が提示してくれた戦略については、各社真剣に議論した方がいいとは思うのだ。

 

今日日、将来戦略を真剣に考えなくて良い日本企業というのは、殆ど存在しないと思うので、ちょっと厳しそうでも改めて検討した方が良いのでは、と考える次第。

どうせどんな戦略でも不確実性は排除できないし、世界的にも指折りのコンサルタントが、タダで考えてくれたんだから、活用しない手はない。

 

読者としても、大前氏がよく知っている企業に対してどんな解を提示するのかを読むのは、非常に勉強になる。

本書はいわば、社長だったらどうするか、という本ではあるのだけれど、こういう視点は、全ての会社員の日々の業務にも、きっと効いてくる筈だし、キャリア形成にも意味があると断言しておこう。

 

個人的には、「3C分析」を考えた本人による3C分析を目にするのは、結構アガッた(笑)。

なお、一点だけ「看板に偽りあり」を指摘させていただくと、27社の中には「勝ち組」とは言い難い企業も含まれている。

 

かといって、それで本書の価値が落ちるものではないのだが。

戦略の議論は、時代性も密接に関わるので、本書もまだ新しいうちにご一読あれ。

 

まぁ、ご参考ということで。