「努力は夢中に勝てない」という言葉は、これまでなんども言及している。
「サラリーマン経営者は創業経営者に勝てない」という話と基本的に同義だと思っているのだが、好きでもない仕事を頑張ってこなしているうちは、残念ながら大したパフォーマンスは出ないのである。
毎期のMBOで自己啓発として「仕事に関連する書籍を年間10冊読む」みたいな目標設定を見ることがあるのだが、こちとら100冊以上読んでいるわけです。
小生からすれば、10冊読めるかどうかという人を、自分の10分の1しか努力していない、とは思ったりはしない。
読書が好きかと言われると、必要性から読んでいることもあり、なんとも言えないのだが、少なくとも100冊読む努力はしていない。
なので、本を読むことが努力目標、頑張って読むもの、という人にとっては、まぁ10冊読むのも大変だろうね、と思うくらいである。
「努力は夢中に勝てない」のまさに実例だと思うのだが、では夢中になれるくらい好きになるには、どうしたらいいのか?
これ、物凄く単純だが、ある程度上手くならないと、好きにはなれないと思う。
少なくともある程度の領域が人並みに出来るようになってはじめて、「もっと極めたい」「もっと広げたい」「全然違うやり方にチャレンジしてみたい」「この分野とは直接繋がらないが、自分はこういうことに夢中になれるのだな」なんて思えるんじゃないか。
人並みに出来るようになったけれども、「やっぱり違うな」と思うのであれば、別の道に進めば良い。
この議論を仕事に置き換えた時に、追加で考慮したほうがいいのは時間軸かもしれない。
生活の中で投入する工数も大きいし、成果として報酬に反映されるから、早く夢中になれるに越したことはない。
出来る限り早く「人並み」に持っていく努力をし、そこに時間がかかりすぎるようだったら向いてないかもしれないという判断と、「人並み」になってからどうするかという判断は、早いほどメリットが多い筈だ。
ちなみにこの「人並み」まで身につけていない若手の転職相談は、結構辛い。
そういう若手は、「これは嫌だ」はあっても、「これが好き」「これは楽しい」がないので、方向性が定まらないのである。
そうなると大抵、最初の会社と同じような選定基準で転職し、結局同じ思いをすることになる。
まぁ、ご参考ということで。