まずはリンク。
*1" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41j0e9a7KiL._SL160_.jpg" alt="21世紀の戦争論 昭和史から考える *2" />
- 作者: 半藤一利,佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/05/20
- メディア: 新書
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半藤氏と佐藤氏の共著で昭和史を語るとなれば、それは重厚な議論が期待されるところであり、思わず食指が伸びるというもの。
特に、戦争という極限状況を扱ったものであれば、戦略やマネジメントにも意味のある知見が得られるのでは、という期待感で読んだ。
本編は、ノモンハン事件等、昭和史の主要なインシデントを、両著者の膨大な知識をもとに解説していく、というもの。
元は、文藝春秋誌上での対談連載なので、話の流れを追っていくだけで読み進めることができる。
ジャーナリスト出身の半藤氏による、関係者へのインタビューをベースにした知られざる事実。
外交交渉の最前線に居た佐藤氏の、深い深い「読み」。
高度なエンタテインメントとして十分成立するのだが、戦略、マネジメント論としても期待通り考えさせられる。
既に戦争のルールが変わっているにもかかわらず、自分たちの組織の都合でアップデートできない日本軍。
「こと」ではなく、「ひと」のマネジメントに走る官僚組織。
結果、自分たちに都合の悪い事実から目を背け、根拠の無い楽観論で暴走する。
暴走して失敗しても、同質化した仲間内での「ひと」マネジメントなので、波風立てるのを恐れて責任の明確化ができず、振り返りも改善もできない。
今更引用もしないが、「失敗の本質」で語られていたことと同じ。
しかしこの問題、今も続いてないですかねぇ。
本書でも、同じ過ちは繰り返されるだろう、と断言しているが…。
小生も背筋が寒くなったので、ちょっと振り返って改めたいと思う。
まぁ、ご参考ということで。