人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

イチローの引退にあたり個人のキャリアについて考えたこと

はじめに断っておくと、これといった明快な結論を導き出した訳ではなく、「すごくモヤモヤしている」という話である。

イチローについては、呼び捨てにしてしまうくらい勝手に親近感を持っているし、職業人の在り方として自分の姿を重ねていたこともあるし、彼の記録には何シーズンにもわたって一喜一憂した、何処にでもいる普通の40代の小生である(古畑任三郎スペシャルだって正座して見たさ)。

 

先日の引退会見に至る流れも、昨シーズンの経緯から何となく理解はしていたので、大きな驚きはなかったが、記者会見の一問一答はもちろん全部読んだ。

www.nikkansports.com

 

その会見を受けて、話題になったのがこの記事。

イチローが語った「頭を使わなくてもできてしまう野球」とは何か」

https://www.buzzfeed.com/jp/tatsunoritokushige/ichirotalk

 

この記事で解説されているのは、セイバーメトリクスといわれる統計学を用いた戦術論で、極論を言うと戦術を組み立てなくとも、フルスイングし続けたほうが勝ちやすいとされている、ということだ。

この記事を読んだ後、実際に統計学を用いて球団運営のアドバイザーとなっている人の有料メルマガも読んだ。

 

有料メルマガなので引用は避けるが、そういったメジャーリーグの傾向は肯定されており、さらに踏み込んだ解説もなされていた。

イチローのようにヒットを狙わずとも、フォアボールを狙い、次の打者が犠牲フライを撃てば点は入る。

 

そういう割り切りで選手のフォーメーションを考えれば、色々「活かしどころ」があるし、勝ちにつながりやすい。

イチローのような、走攻守を極めていく選手は素晴らしいし、そうあるべきだと思うものの、そのような高いレベルの選手はやたらに出現するわけでもなく、出現をあてにできない以上、フォアボールと犠牲フライでフォーメーションを組むのが最適解となり、となるとイチローのような選手が収まるところがなくなる、ということのようである。

 

真偽のほどは定かでないし、小生もメジャーリーグを長年ウォッチしていたわけではないので、自分なりの意見を持たないのだが、もしこれが真実なのだとすれば、なんともモヤモヤするではないか。

プロフェッショナルとしてスキルやキャリアを開発することを是とされ、それに邁進していたと思えば、組織の評価軸が変わって居場所がなくなってしまうという…。

 

イチローはフォアボールや犠牲フライを狙うバッターになるべきだったのか?

世界が変わったと諦めて引退するしかなかったのか?

 

答えは無いに決まっているけれど、小生の中で一つはっきりしているのは、「なぜ居場所がなくなったのか、人から言われる前に自分で明確に気付けるようでありたい」ということだ。

引退する時期は、せめて自分で決めたいものである。

 

まぁ、ご参考ということで。