リンクを張っておく。
本書を読むまで、著者の植島啓司氏という方を存じ上げなかった。
Kindleのデイリーセールでレビューが高かったので思わずポチってしまったのである。
内容は、人生、旅、恋愛、そんな諸々についてのエッセイ。
著者の植島氏は、宗教人類学者として世界中のフィールドワークを重ねながらも、酒や博打や色恋事と、かなり自由な生活を送ってきた人のようである。
「生きるチカラ」というと、なにか特定の能力を鍛えるかのような内容を想起してしまうが、どちらかというと人生の諸々の事態についての「向き合い方」である。
新書で出すような内容なのだろうか、と感じずには居られない「ただのエッセイ」ではあるし、見たことも聞いたこともないような特別な人生訓が語られるわけでも無いのだが、援用される東西の文学、フィールドワークで関わった世界中の人達とのエピソード、旅の経験、そんなところが、「ただのエッセイ」と断じてしまうのが勿体無い奥行きを感じさせる。
著者の醸し出す雰囲気に浸っていると、なんとなく「生きるチカラ」が滲み出してくるような、案外、折に触れて読み返してしまいそうな不思議な本である。
非常にライトに読めるし、全般的に肩の力が抜けており、肩肘張ることに疲れている人には、ちょうどよい一服になるのでは無いだろうか。
まぁ、ご参考ということで。