人間到る処青山あり

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「たたかう植物」 読了 〜まさに仁義なしだが面白い〜

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たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書)

たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書)

 

 

レコメンドで表示され、尚且つレビューも高評価なので思わずポチった一冊。

植物が如何にして外敵と戦う進化を遂げ、生き延びてきたかを、「植物VS環境」「植物VS昆虫」「植物VS動物」という章立てで紐解いていく。

 

ご明察な皆さんには、お分かりの通り、当然最終章は「植物VS人間」である。

この勝負、植物の勝ちなのか人間の勝ちなのか、なかなか奥深い解説なので、興味のある向きは是非ご一読を。

 

雑草が植物との競争では弱者であり、過酷な環境に適応することで生き延びたとか、実は刈れば刈るほどよく生えるとか、植物の赤い実が識別できるのは霊長類だけとか、森では蟻を味方につけるのが一番強いとか、なんかもう「へー!」の連続である。

誰のために書かれた本かと問われれば、一般教養を求める層、ということになるのだと思うのだが、なかなかどうして、植物の戦略は経営戦略論も彷彿とさせる奥行きがある。

 

普段ビジネス書で、そういった本ばかり読んでいる向きにも、新たな気づきがあるかもしれない。

もう一つ、なるほどなぁと考えさせられたのは、(競争)環境変化への対応のスピードについて。

 

生物の進化においては、一代で変化する環境に適合するということはない。

多様な子孫を生み出しながら、適者生存という形で適合していく。

 

そうなると、世代交代が早い種が有利で、昆虫や一年草など、個体寿命が短く大量発生するものが、生き延びられる可能性が高いのである。

これ、今の企業経営環境を見る上では、示唆に富む話ではなかろうか。

 

どうしても「延命」や「その世代内での変化」に拘りがちだが、「世代交代」「大量発生」を早いサイクルで展開することが、自然の摂理なのではあるまいか。

その上で、「生き残ったものが適者」という割り切り。

 

さて、どう消化すべきか。

まぁ、ご参考ということで。