人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

リスク、リスクと言うけれど

事業にはリスクがつきものだ。

リスクというのは不確実性のことで、良い様にも悪い様にも「跳ねる」のが、本来のリスクの意味である。

 

企業におけるリスクの議論は、新規事業を検討するときに良く出るが、既存事業にだってリスクはある。

あるけれど、一応うまくいっているので、それが見えていないだけだ。

 

将来市場がシュリンクするリスクだってあるし、オペレーション上の事故が発生するリスクだってあるし、なんらかの不祥事でブランドが毀損するリスクだってあるけれど、それが明らかになっていないだけにすぎない。

新規事業検討の場合、”一応うまくいっている”実体がないために、リスクばかりに意識が行きやすい。

 

まずこれが判断のバランスを崩しやすいポイントである。

そして、リスクを曖昧にしたまま「なんとなく怖い、怪しい」というという方向に偏りやすいのが、もう一つ冷静に考えなければならないポイントである。

 

本当に避けるべきリスクはなんなのか?

実は新規事業に取り組む企業で、案外詰められていないのがこの点だと思う。

 

小生なりの見解を述べると、本当に避けるべきリスクは、「止められないリスク」だ。

赤字が続いているのに止められない事業、というのが最も始末に悪い。

 

公共性が高くて引くに引けないとか、投資が過大で引けなくなった(サンクコストってやつだ)とか。

これは、事業領域を「止められないリスク」という観点できっちり線引きしておくことと、撤退基準をドライに徹底すれば、なんとかなる。

 

もう一つあるとすれば、新規事業で開拓したネットワークに、反社会的勢力が紛れ込んでしまうとか、そういうものだろうが、取引基準がしっかりしていれば、それもなんとかなる。

ご参考:

www.cloudsign.jp

 

財務リスク?(過大投資とか、損失が・・・、とか)

そんなに”突っ込める”判断ができるなら、そもそもリスクの議論なんて起こるわけがない。

 

失敗した時のレピュテーションリスク?

きょうび、新規事業にチャレンジしないほうがレピュテーションリスクだし、笑いたい奴には笑わせておけ。

 

企図したサービスが実現できないリスク?

だいたい、実現可能性を追求しすぎて、検討に時間がかかり過ぎるくらいだし、いまの企業で実現性が不確かな事業が決裁されるわけがない。

 

とにかく事業が上手くいかないかもしれないリスク・・・。

そんなのはどんな事業も抱えているし、完全にヘッジすることは、未来予測と同様に不可能だ。

 

ほら、リスク、リスクと言うけれど、それがどれ程のものというのか?

問題はリスクではなくて、やったことがないことにチャレンジするマインドの方が大きい。

 

今週だけでこの話を10回くらいしたけれど(苦笑)、企業の皆さんとはリスクについて、是非真剣に議論したいと思っている。

まぁ、ご参考ということで。