昨日今日で、ハッと気付かされたことがある。
ある本を読んで、わかったことだ(その本のレビューはまた別途)。
「新規事業の作り方」のような本を読んでいて、それはもう小生の本業だから、片っ端から読んだのだが、「書いてあることはその通りなのに、自分の仕事となんとなく違和感があるのは何故なのか?」というのがわかったのである。
まぁ、そんなに大した話ではないのだけれど、そういった「新規事業の作り方」系の本は、どちらかというと「業として新規事業を作る人」向けのものなのだと思う。
いわば、プロの小説家になるための、「小説の書き方」だ。
それは、社会で評価される作品を、「持続的に」制作する為の方法論。
一方、小生が向き合うことが多いのは、何か新しいことをやってみたいと考える人たちで、「業として新規事業を作ろう」と思っているわけでない。
例えるなら、自費出版でもいいから、思いを作品にしたいという人たちだ。
そういう人たちには、もちろん「小説の書き方」は押さえてお伝えするべきだが、「その人にしか語れない物語は何か?」「その物語を上手く形にするには?」というところに、心を割いていくことになる。
誰しも個人的な体験をベースに、小説を一本書くことができるが、書き続けるのは難しい、という話を聞いたことがある。
殆どの(企業内)起業家にとって、新規事業は数多く経験するものではないから、多くの場合、「その人だから語れる物語」を紡いでいくことになるのだと思う。
業として、どんどん新規事業を打ち立てていくことは、多分できる。
しかし小生は、今の仕事の醍醐味を、一人一人の物語を紡ぐプロセスに感じている。
ひょっとしたら、今求められていることとはズレているのかもしれないけれど、もう暫くは、一人一人の、「その人にしか語れない物語」に向き合っていきたいと考えている。
一人一人の物語は、とても魅力的だし、まだまだ大いなる可能性があると信じているから。
まぁ、ご参考ということで。