一応リンクを貼っておく。
妖怪ハンター 1 地の巻 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/01/01
- メディア: Kindle版
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こんなビジネスメインのブログで何でこんなネタをと、小生も逡巡したが、思うところがあったので、あえて書いておく。
Kindle版の奥付は新しいが、原作そのものはもう40年以上前の作品である。
40年以上前のコンテンツが、指先一つで消費できる21世紀は本当に凄いが、それはともかく、本作品は、日本古来の風俗・文化・伝承をベースにしたホラー。
主人公が考古学者という設定で、古事記・日本書紀などの古典や、地域地域の伝承などが折々語られる、アカデミックな仕立てもあり、たいへん奥行きのある、Amazonでも高評価の作品。
多分、荒俣宏の帝都物語を面白いと思われる向きには、きっと刺さるのではないかと思う。
そうじゃない人には刺さらない(絵が既に怖いし)、そういう作品である。
小生、基本的にホラーの類は読まないし、好きでもないが、学生時代にこの作品を少しだけ目にする機会があり、その「奥行き」が忘れられず、常に頭の片隅にあった。
今般、Amazonの「Kindleまとめ買い」(大人買いともいう)に表示され、思わず買って読んでしまったという顛末。
それで、なぜブログで取り上げることにしたか、というのは、たまたまこういう記事を読んだから。
この記事の内容が正しいかどうかは、色々な見方があると思うが、人工知能に対して、欧米圏には「神ならぬ人の手で創造された知能」という背徳感があり、一方で日本人は「人ならぬものに人格を見出す」メンタリティがあり、それが色々な誤解を生むのでは、という論考である。
ちょうど「妖怪ハンター」を読み終わり、最近すっかり忘れかけていた、自分の中の古い日本的なところと、そこに感応する恐怖感を味わっていたところだったので、一定の重みを持って上記記事を読んだ次第。
思えば、日本のコンテンツは、結構ホラーが強いような気がする。
御大、水木しげる先生を引き合いに出すまでもなく、土俗的な文化や何気に長い歴史に蓄積された、古の人達の恐怖の念というのは、目に見えない形で我々を規定しているのではなかろうか。
それがまた、作品として昇華された時に、割と広く通用するものになるのではあるまいか。
余談だが、アメリカはやっぱりSFが強いような気がする。
昨年読んだこちらも、古典の類であるが、出色の出来であった。
本題に戻ると、ビジネスでの戦略立案や、新規事業の構築にあたって、自らの寄って立つ所を明らかにするのは、ベーシックなセオリーであるが、我々は思いもよらないところに規定されていたり、自分では気付かないところに強みがあったり、というのはよくある話。
目に見えるところにばかり注意していても、答えはわからない。
企業の歴史、文化、メンタリティ、人材のタイプ・・・。
目に見えないところにこそ、その本質は潜んでいるのかもしれない。
ホラーを読んだせいか、「目に見えないところ」に、思考が奪われているのかもしれないが。
まぁ、ご参考ということで。