人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

井戸を掘る人

今日ご一緒した大企業のトップが仰っていたこと。

対立概念は「地図で掘る場所を決める人」だ。

 

もちろんどちらも大事なのだが、ともすれば組織には「地図で掘る場所を決める人」ばかりになりやすい。

だって、井戸を掘るのは大変だから。

 

疲れるし、泥だらけになるし、孤独だし、あんまり面白くも無い。

挙句の果ては、水が出ないことだってある。

 

しかし、掘ってみなければわからないこともあるし、掘った人にしか見えないこともある。

もちろん、掘った経験は間違いなくその人の力になる。

 

だから、たとえ水が出なくても、掘ったチャレンジは讃えられるべきだし、それが健全な組織であるはず。

今日ご一緒したトップは、そういう事を熱弁されていて、激しく同意するところであった。

 

一方で、そのトップは別の機会に、「一番風呂の辛さ」も語っておられた。

イオニアとして散々苦労したにもかかわらず、出来た事例を元に、二番手以降が易々ともっと良い形で追随してくるということ。

 

だから、その苦労に見合ったリターンが得られるよう、キッチリ詰めておくように、というのがその時のアドバイスだったが、これもまた含蓄のある話である。

「井戸を掘る人」を讃えつつ、その人の苦労が、「正直者が馬鹿を見る」結果にならないよう、したたかに作り込んでいく。

 

新規事業に伴走する立場の人間として、つくづく肝に銘じておきたいと思う。

今日の学びに感謝。

 

まぁ、ご参考ということで。