企業経営において、理念やビジョンの重要性を語る方々は多い。
小生も本当に大事だと思っている。
しかし、小生は20代の頃、その重要性を全く理解していなかった。
所属していた会社の問題なのかもしれないが、会社が掲げるビジョンと、日々体感する現実に大きくギャップがあり、組織におけるビジョンというのは、対外的な、単なる「綺麗事」だと思っていた。
大人の事情というか、「ま、そんなもんだよね、現実は」といった具合。
しかしその後、ベンチャー企業と言って良いと思うが、そんな会社に転職して、組織の理念やビジョンといったものの重要性を、嫌という程思い知らされることになる。
ベンチャー企業というのは、はっきりいって寄せ集めの組織だ。
そして、優秀な人間もそうでもない人間も居るし、もっと言えば、まともな人間もあんまりまともじゃない人間も居る。
そして事業環境が刻々と変化する中で、必死に生き延びながらも、更に成長を目指さなければならない。
そうなってきたときに、目の前の売上利益が出ればなんでも良い、という行動に出る人間も出てくるし、違う会社で身につけた自分のやり方を全く変化させず、パフォーマンスが出ない人間も出てくる。
そんな動物園みたいな環境を、組織として機能させるために、理念やビジョンは必要になるし、実はそれが存在しないと、「そのままでは組織に害をなす人間」に修正してもらう機会も提供できないし、そもそもそういう人間を「切る」ことも出来なくなってしまう。
小生がベンチャー企業に在籍していた後半は、そういった価値観の違う人間とのコミュニケーションに、半分くらいのリソースが奪われていたような気がする。
もちろん、「綺麗事」を掲げるだけでは論外だが、組織を作り、発展させるためには、理念やビジョンはとても大事だと思うのだ。
高尚な理由ではなく、とっても泥臭い話なんだけれども。
まぁ、ご参考ということで。