人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

単なる思いつきと、事業案との違い

新規事業はどんな人が向いているか、という議論の中で「発想力が豊かで…」みたいなご意見をいただくことがある。

極めて個人的な見解だが、アイデアで勝負できる新規事業は、ほぼ無いと思う。

 

全世界70億人いる中で、そのアイデアを思いついた人が他に居なかったとは考えにくいし、考えた人が居たのに事業が存在しないというのは、存在しない何らかの理由があると思う。

問題は、アイデアを実現するプロセスとか、アプローチだったり、泥臭い活動だったり、というところにあったりする。

 

イデアの尖り具合に拘る人や、尖ったアイデアを求めすぎる経営側は、奇抜なアイデアを追求しすぎた果てに、収集がつかなくなることが多い。

自称「尖ったアイデア」を丁寧にご説明いただいて、「う~ん…」となるパターンだ。

 

どんなに最新の技術が織り込まれていようが、意外な組み合わせで構成されていようが、パートナーの賛同を得られていようが(ちなみに、パートナーの賛同を取り付けて「事業案」が完成した!と思っている人は結構多い)、「う~ん…」となるのは、ちょっと申し訳ない表現だが「単なる思いつき」に近い。

それはアイデアの組み立てに、どれだけ工数がかかったとしても、である。

 

では、単なる思いつきと、事業案を分けるのは、なんだろうか?

一つ小生が考えているのは、「リアリティ」という言い方をする人もいるが、ユーザーや実際にお金を払ってくれる顧客の声・フィードバックがあるかどうか、ではないか。

 

少なくとも前向きな声がある事業案は、十分検討するに値するし、顧客の声なきアイデアは、限りなく思いつきに近くなってしまう。

もちろん、全ての事業案の出発点は、思いつきからスタートするので、そこを否定する気は全くない。

 

しかし、膨大な工数と時間を費やし、アイデアを複雑怪奇にするプロセスは、多くの人がはまり込んでしまうパターン。

膨大なパワーをかけて、思いつきのレベルから前に進んでいないとすると、笑うに笑えない。

 

「何かおかしい」と感じたら、一刻も早く顧客の声を聴きに行くことをお勧めする。

聴き方に上手い下手はあるし、その為のノウハウは色々あるのだけれど、まずは臆さず進むべきだと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。