人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

転職は焦らない。

次が決まらずに辞めることになってしまった人は、多分人生最速のスピード感で動いたほうが良いと思うが、そういう人は今日の話から除く。
転職を考えるきっかけは人それぞれだし、人生のタイミングごとにそれは異なると思う。

とは言え、殆どの人が「こんな会社辞めてやる!」と思った瞬間が気持ちのピークで、その後は色々と状況が変化して、フェードアウトしてしまう人もいるし、長きにわたって燻ぶる人もいるが、いずれにしても、ピークの状態は続かないもの。
ややこしいのは、ピークの気持ちの時に、あれこれ応募してしまい、企業やエージェントも巻き込まれてしまった場合。

なんとなく前向きにオファーを受けるかのような話になってしまい、後で冷静になって「しまった」という人を、小生は何人も見てきた。
結局転職してしまって、そのままうまく行かず、というのが良くあるパターンで、相談に乗った立場としては、大変心が痛む。

個人的には、「こんな会社辞めてやる!」とまで思い詰めた、その気持ちを忘れてしまえ、ということはできないと思う。
自分と会社の関係を考えた時に、最早埋めようのない溝ができてしまったということであり、寧ろ絶対に忘れてはいけないし、もう転職は不可避だと思う。

それくらい、「こんな会社辞めてやる!」という気持ちは強いはずだ。
しかしだからこそ、次の選択肢は、冷静かつ慎重に考えたい。

こんな時にいつも思い出すのは、「良く生きろ。それが最大の復讐である」というユダヤの教えである(幸せになりなさい。それが最大の復讐です、という意訳もある)。
そう、自分自身が幸せであることが、過去不幸をもたらした人達に対する最大の復讐であるという話。

この言葉の含蓄は、受け止めたひとりひとりが味わっていただく他ないが、不幸をもたらす人たちから逃げたとしても、それで復讐を遂げたことにはならず、いろいろなプロセスを経たとしても、自分自身が幸せになることを、徹底的に追求しなければならない。
その幸せがなんであるか、一朝一夕に答えは出ないから、焦らず、時に屈辱に耐えながらも、雌伏の時期を過ごさねばならないのだ。

全ては自分自身の幸せのために。
まぁ、ご参考ということで。