人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「人脈」を甘く見てはいけない。

エージェント業をやっていると、営業系のおじさまで、「私は人脈がある」と強弁される方に遭遇することがある。
「だったらその人脈で転職先も探されたらいいじゃないですか」と思うわけだが、わざわざ時間を取ってエージェントと会っている以上、そういうものでもないらしい。

もちろん仕事上有益な人脈と、転職先を探すネットワークは違うと思うし、実際に「人脈が全て」という業界もあるようなので、おじさまの主張を否定するような話ではないのだが、個人的にはたいてい人脈やネットワークの類いというのは、そうそう当てになるものでは無いと思う。
人間関係というのは極めて流動的であるし、それをさらに維持発展させていこうとすると、こちらと相手とのメリットデメリットの設計というか、「戦略的互恵関係」というやつが必要で、こちらが価値を提供できなければ、そこで人間関係は切れてしまう。

つまり、まず相手に「何を期待するか」ではなく、「何を提供できるか」を考えなければ、ネットワークは構築できない。
ゆえに、仕事上接点がたくさんあったというだけで、人脈といえるほど甘いものではないと考える。

ところが一方で、自分の持っているビジネスのネタが、ネットワーク対象に価値を感じてもらえる内容だったりすると、これが想像以上に威力を持つことがあるのだ。
この辺を狙ってやるのは難易度が高いが、ビジネスでブレイクスルーする場面というのは、いつもそんな展開のような気がする。

ということで、過信しても見くびってもいけないという意味で、「人脈」を甘く見てはいけないと思うわけだが。
まぁ、ご参考ということで。