人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

転職者の評価期待と受け入れ側のギャップのお話

転職をすると、新たな環境でうまく適合できるかがそもそも不安な中、できる限り早く成果を出したいと考えているし、出した結果を実際、形の上でも評価されたいと思うのが常である。
「形の上で」というのは、昇給だったり昇格だったり、ということだ。

会社の状況にもよるが、転職者というのは短いと半年、概ね1年から2年の間で、「形の上で」も評価されたいと思う傾向にあるような気がする。
しかし、これは採用側や経営側のご経験がある方はすぐわかると思うのだが、受け入れ側である採用企業は、もっと長いスパンで人材を評価している。

もちろん短期で成果を出した転職者には、当然報いなければと思っているが、昇給・昇格までの議論になると、だいたい3年から5年のスパンで考えるように思う。
そこに転職者と受け入れ側のギャップがあって、時に転職者は「頑張って成果も出しているのに評価されない」と感じがちだが、企業側の評価の時間軸は、総じて転職者より長いので、焦りは禁物である(※もちろん成果を出すことには焦るべきだが、成果を出して評価されないと感じることを、必要以上に焦ってはいけない)。

卑近な例だが、小生30歳ごろ、当時所属していた小さな会社のオーナー社長に、「10年後の社長は君」と言われ、「10年も待っていられるか!」と思ったことがある。
今、自分が当時の社長の歳に近づいて、ずいぶん過分なお言葉をいただいたと恐縮至極だし、「そりゃあ10年後だよね」とも思うのだが、ことほど斯様に、転職者と受け入れ側というのは、ギャップがあるものなのである。

繰り返しになるが、結果はもちろん出さなければならないものの、出しているのになかなか評価が、ということについては、一つ落ち着いて、冷静に受け止めたいものである。
まぁ、ご参考ということで。