人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

こんなサラリーマンになってはいけない(2015年度版)

渦中の有名企業、東芝について、この様な記事が出ていた。

決算発表に関する社長のコメントを遮って、財務部長が問題となった企業風土をベースにした発言を連発するのだから、笑うに笑えない。
この財務部長がおかしいと言えるのは、次の3点である。

①公の場で、自分の上席(それもかなり上)の発言を遮って、喋る
「プロサラリーマン」を自称していた小生からしてみれば、全くもってありえない行動だが、推察するに、現社長よりもっと権力のある人物(それは謎)の支配下にある、という証左なのかもしれない。

②発言する内容が、(おそらく)会社の方針と異なる内容である
時々スタンドプレーをしてしまって、後で大騒ぎになるパターンがあるが、小生の読みでは、今回の顛末は前項と同じく、この財務部長のバックにいる人物の意見を表明したのだと思われる。

③発言している内容が、社会からおかしいと指摘された点そのままである
バックの人物に忠実ゆえ、何が正しいのか見えなくなり、財務部長は一世一代の大恥をかいているわけだが、それが問題の企業風土の根深さを物語っていて、とても恐ろしいし、改革にはとても長い期間が必要なことをうかがわせる。

しかし、笑うに笑えないのは、こういった深刻な企業風土もさることながら、同じサラリーマンとして、この財務部長のことを非難できるか、ということである。
組織人であれば、答えの「正しさ」より、「組織の論理」を優先させた場面に何度も遭遇したことがあると思う。

そんな場面で、「正しさ」を優先させることは、とても難しいことであるはずだ。
あれだけの大企業に入った人たちは、そうは言ってもそれまでの社会的な競争に勝ち残ってきたわけで、そういった人たちが、組織の論理ではなく、正しさを優先すれば、それは即ちそれまでの価値観での敗北となり、積み上げてきたものを失わせる結果になるのだ。

もちろん、すべての組織で、正しさが通用しないということは無いが、幸いにして貫ける人もいれば、どこかでバランスを取る人もいるし、完全に染まってしまう人のグラデーションの中で、すべてのサラリーマンは生きている。
仕事柄、どちらかというと比較的大きな組織の中で、成功された方々とお会いする機会が多いが、それほど成功していない人にお会いするとしても、これら「サラリーマンのグラデーション」を踏まえた上で、何を優先して今の立場になったのか、真摯に向き合いたいと常に思っている。

まぁ、ご参考ということで。