人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

165億円の報酬を巡るあれこれ

本日はこの件に触れざるを得まい。
ソフトバンク社の後継者候補に165億円払われた、という話だ。

同じタイミングで、同一労働同一賃金の法案が衆院で可決し、
なんだか奇なタイミングだなと思っている。

だって経営者が経営者として経営業務を行っているのなら、同一報酬で良いわけだけれど、全くそうじゃないし、それで言えば社員も同じじゃないですか?というとてもデリケートな話だ。
この話は、ちょっと前に流行った、「ハーバード白熱教室」でも扱われた。

それはともかく、冒頭の165億円という話について。
ネットも含め、色々議論があるが、あまり話題になっていないような話を一つ。

小生が以前受けた話の中で、日本企業が同じようにグローバルカンパニーの本国のトップクラスを引き抜きたいという相談があった。
結果的に小生の担当期間中は縁が作れなかったが、まずもってこのような話は、引き抜かれる相手に、本人も周りも納得する理由を作らねばならない。

今回の165億円氏の件で言うと、経済的にはスケールが落ちる国がベースで、日本の特殊マーケットでキャッシュカウを持っているという現職とは全く違うビジネスの会社に、強烈なオーナーシップの創業者のすぐ横で働くというのは、孫社長がどんな口説き方をしたのかわからないが、冷静に評価すると「行く理由」とはなりにくい。
裏を返せば、それくらい払わないと来てもらえなかった、という可能性があると思う。

これはグローバルで見たときに、日本の会社がお金以外の魅力が無くなっているという、とても残念な話かもしれないが、これもまた逆に、G社でまだまだ上に行ける、ホンマもんのピカピカ故に、G社のキャリアを捨てさせるための金額だったかもしれないのだ。
そういう意味では、これはこれで先が楽しみではある。

まぁ、ご参考ということで。