人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

退職交渉虎の巻

今まさに退職交渉に臨もうか、という友人に捧ぐ。
小生のエージェントとしての経験と、実際に何回も転職を繰り返した実体験から。

その1。
「今の会社から、もし強い引き留めにあったとして、心が揺らぐ可能性があるなら、『退職したい』という一言は口にしてはいけない。」

会社にとってあなたが大事な人材であれば、通常は引き留めにあうだろう。
ここで色々なことを言われ、自分でも考え直したとしても、あなたと会社の関係は、これまで通りにはならない。

もしそのまま会社に残ったとしても、会社側は、「あぁ、この人、以前辞めたいと言ってたなぁ」という記憶の元、責任ある仕事をあなたに任せるようなことはしないので、その会社でのキャリアの展望は無くなってしまう。
もちろん、一時の気の迷いとして流してくれる場合もあるし、過去に構っていられないほど多忙な会社もあったりするので、例外はあるが、そういう判断をする人が世の中に存在する以上、リスクは消えない。

その2。
転職先を言わずに辞めたい時の言い訳は、「幾つかの会社からお誘いを頂いていて、どれにするかはまだ決まっていません。決まって落ち着いたら必ずご連絡します。」

転職先を現職に告げて辞めるかどうかは、判断の分かれるところだが、個人的には言わずに済むなら言わずに辞めた方が無難なような気がする。
辞めて新天地を目指す人間に対して、残る人たちは結構嫉妬することがあるので、思わぬ形で足を引っ張られるケースが、現実として存在するのだ。

ちなみに上記の言い訳は、辞めた人間の有る事無い事を業界内で吹聴して、本気で潰しにいくスーパーブラック企業にお勤めの方が、辞める時に実際使われたテクニックである。
その会社は日本人ならほぼ皆知っているくらい有名な企業であることは余談だが、そんな会社でもない限り、言い訳の通り、落ち着いたらちゃんと連絡するのは大事なマナーだろう。

もちろんその1と同じく、退職後も仲良く仕事を一緒に、なんていうケースもあるが、心の備えとして押さえておきたい。
とても生々しい話で恐縮だが、まぁ、ご参考ということで。