人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

採用企業も悩む。

今日は以前からお付き合いのある企業経営者と、たまたま採用の件で話をする機会があった。
いつも転職者の目線で記事を書いているが、採用企業側の気持ちも知っておいて欲しい、という感じでお伝えしておく。

採用企業の殆どが、オファーを出せば皆来てくれるような、ブランド企業では無い。
人が欲しい時は、ライバル企業も同じように採用していて、取り合いになるパターンも多い。

札束で頬をひっぱたいてサインさせるような予算もない。
そもそも、多くの個人が必ずしもピカピカな訳ではないのと同様、多くの職場もピカピカな訳ではない。

それでいながら、うまく採用ができないと、それを前提にした経営計画の達成が危ぶまれてしまうので、経営サイドからのプレッシャーが強い。
もちろん選別するという思考はあるのだが、合格ラインを超えた人材に対しては、限られた予算、限られた魅力の中で、どうやったら「入社したい」と思ってもらえるのか、必死に悩み、ベストを尽くして人材と交渉しているというのが実態だ。

そうまでして採用した人材が、うまく活躍しなかったり、短期で辞めてしまったり、さらには問題を起こしたりという時の、人事・採用側の心の傷たるや、計り知れない程のものなのだ(更にいうと、そんな事があってもなお人を信じ続けられる人物にしか、人事・採用はできないと思う)。
それを踏まえて、裏をかけと言いたいのでは、もちろん無い。

採用企業は、あなたを選別する立場かもしれないが、向き合うのは血の通った人間なのだ。
なので、駆け引きも時にはあるのだが、採用企業側の立場も理解した上で、腹を割った本音のコミュニケーションをしていただければ、と思う。

結局はその方が良い条件を引き出せるように感じているし、もし縁があって入社したとすれば、人事は入社後のあなたの活躍を願う味方なのだから。
まぁ、ご参考ということで。