現場のやりたいことをやりたいようにしていたら、経営は成り立たない。
ガバナンス不在である。
その時その時のスピードは早くなるかもしれないが、やらなくて良いことまでやってしまうかもしれないし、大きな失敗だって起こりうる。
なので、ガバナンスという概念が生まれてくるわけれども。
しかし企業が活動を続けていると、いろいろ想定外の事象が起きてくる。
権限を明確化し、ルールを定めても、それを乗り越えてくるのが想定外なので、そうなると「とりあえずなんでも経営会議送り」となり、上の立場になればなるほど会議が多く長くなり、だんだん「社長がこんな細かいことまで決めるの?」となりかねない。
当の社長だって「なんで私がこんな細かい話まで口を出さなきゃいけないのか」と思っているに違いない。
しかし、組織というのはそうなるものだと思っている。
誰だって責任は取りたくないし、決断もストレスなので、迷ったらどんどん偉い人に押し付けたくなるのだ。
そうやって会議は多く長くなり、スピードが落ちていく。
それを思うと、リクルートグループの伝統である「お前はどう思うの?」という投げかけは、なんでも偉い人に押し付けない仕組みとして、有効に機能するのかもしれない。
もちろんこれは、現場の判断を優先することだから、局所最適だったりガバナンスのアラが発生しかねないのだが、バランスの取り方として、一つの考え方だろうと思う。
個人的にはこの考え方に近いスタンスを取りたい。
なんでも偉い人に押し付けたくなるのは人間心理であり、理解できるのだが、大問題にならない範囲を真剣に見極め、現場の判断で「やってしまう」方に倒し、もし問題になったら謝る。
まともに会社やってたら、想定外はこれからもどんどん増えていくのだから、勇気を持って進めてみるチャレンジを現場から推進していきたいのである。
まぁ、ご参考ということで。