人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「知らないと恥をかく世界の大問題10」 読了 〜創業経営者対サラリーマン経営者の図式を彷彿とさせる〜

まずはリンク。

 

しつこく池上彰氏祭りである。

なんとなく装丁が似ていたので、NHK出版のシリーズなのかと思っていたが、タイトルに10とある通り、「世界の大問題」シリーズの第十作であり、2019年の最新作である。

 

そういう位置付けなので、読みたい人はあと半年くらいの間で読まないと、意味を失ってしまうかもしれないのでお早めに。

本書の一番大きなテーマはもちろん米中関係であるし、ブレグジットであるし、日韓関係である。

 

いずれもバランスの取れたわかりやすい池上節なので、読むべし。

本書の記述で考えさせられるのは、米中関係のくだり。

 

その気になれば終身支配すら可能な習近平氏と、どんなに長くても8年のトランプ大統領と、どちらが強いか、という話である。

本ブログでは、神戸大学の三品先生の本を何度も取り上げているが、三品先生の結論は「サラリーマン経営者は創業経営者に勝てない」である。

 

あたかも創業経営者のような絶対権力を終身で獲得したリーダーと、優秀な人材や資源に恵まれていても、所詮任期付きのリーダーと、どちらが最後に笑うのか、そう考えると、ちょっと暗澹たる気持ちにならないでもない。

もちろん、三品先生の結論は、創業経営者のようなリーダーを継続的に生み出せる組織こそ最強、ということでもあり、その代表格がアメリカのGEなんだけれども、トランプ大統領を見ていると、ちょっと不安である。 

 

もちろん、我々の国もね。

まぁ、ご参考ということで。