人間到る処青山あり

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「日本人が新規事業で成功する教科書」 読了 〜実務家ならではの視点が面白い〜

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日本人が新規事業で成功する教科書

日本人が新規事業で成功する教科書

 

 

本テーマについては、仕事柄スルー出来ず購入。

Kindleデイリーセールで見て、レビューも高かったかと記憶している。

 

事業会社で新規事業開発の実績があり、その後、数多くの企業で長年コンサルティングを行ってきた著者による、新規事業開発の指南本。

ザ・コンサルタント」による類書のような網羅性やスマートさは無く、良くも悪くも手作り感があって、章立ての論理性も疑問に感じるところが無いではないが、なかなかどうして面白い本だと感じた。

 

本書では一つマトリクスを提示しているのだが、会社の経常利益が5%を超えているか否か、社長の年齢が40歳を超えているか否かの、2×2の4パターンで、会社が好む新規事業を分類しているのである。

これがなかなかいい線を突いているというか、確かにこれは会社に刺さりそうだなぁという印象。

 

新規事業開発は、市場・会社・起案者のニーズ&意思が重なるところにある、と言われたりするけれど、一番曖昧なのが会社のニーズ&意思だったりして、それに対する指針を提示している意味は大きい。

また、起案者も雇われの身である以上、会社ウケを狙うのは、キャリア防衛のためにも必要なことかと思う。

 

この辺は著者が一介のサラリーマンとして起案者としての実績を残し、いわゆる大手コンサルティング会社が入らないような中小企業を中心にコンサルティングを続けてきた、実務者ならではの視点のように思う。

本書で新規事業開発の全ての局面が乗り切れるとは思わないが、少し違う視点を提示してくれるという意味では、印象に残った一冊であった。

 

まぁ、ご参考ということで。